自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

読書

コロナと潜水服 奥田英朗

コロナと潜水服 奥田英朗5篇の短編集。幽霊?心霊?超常?現象かと思われるようなエピソードが連なる。とはいえほんわかとした心温まる小説。平易な文章であっという間に読了。2020年発刊、表題通りコロナ禍にまつわる現代のエピソードを表現していて仕事が…

回廊亭殺人事件 東野圭吾

回廊亭殺人事件 東野圭吾 数年前に旅館回廊亭にて起きた心中放火事件。 その回廊亭を会場に資産家一ヶ原高顕の遺産相続に関する遺言状を公開しようとしていたところに起きたあらたな殺人事件。 一ヶ原高顕の秘書だった32歳の桐生枝梨子は70歳代の老婆に扮し…

のっけから失礼します 三浦しをん

のっけから失礼します 三浦しをん 本人があとがきに記しているとおり「おバカ」なエッセイ集。女性向け月刊誌「BAILA」に連載されていたものが単行本化された。BAILAは未読だが、三浦しをんさんのエッセイなら面白いだろうと手にとった。予想通り抱腹絶倒・…

マナーはいらない 小説の書きかた講座 三浦しをん

マナーはいらない 小説の書きかた講座 三浦しをん 三浦しをんさんが雑誌連載したコラムを書籍化。表題通り小説を書きたいと志望している人向けにアドバイスするよう内容がメイン。とはいえ三浦しをんさんの妄想爆走でまるでバラエティ番組かのようなノリの文…

1%の努力 ひろゆき

1%の努力 ひろゆき「2ちゃんねる」を開設したひろゆき氏(西村博之)の思考を一冊の本にしている。曰く・人生に「生きる意味」は存在しない「じゃあ死ぬまでにできるだけ楽しく暮らすほうがいい」・自分を客観的に評価して得意な分野に最小限の努力(1%)…

希望の糸 東野圭吾

希望の糸 東野圭吾 金沢の料亭旅館「たつ芳」の元料理長が死に際の遺言状に「松宮修平」を息子と認知すると記していた。その内容に全く思いもよらない女将の長女芳原亜矢子は松宮修平に連絡を取った。一方目黒区自由が丘で発生した喫茶店経営者が殺される殺…

ライオンのおやつ 小川糸

ライオンのおやつ小川糸33歳の女性「海野雫(うみのしずく)」は末期の癌。最後の時を迎えるまでの数ヶ月を過ごすため瀬戸内海に浮かぶレモン島のホスピスにやってきてからの生活を描く平易な文章というよりも子供の作文といった印象を受ける。あちこちの比…

クスノキの番人

クスノキの番人神社の奥に鎮座している巨大なクスノキの見張り役と案内役になることになった青年直井玲斗(なおいれいと)。不遇な家庭環境だった少年時代をすごし、これからの人生をどのように行きていくかを問われる。クスノキの番人を任せられたことをき…

カケラ 湊かなえ

カケラ 湊かなえ田舎町の女の子が大量のドーナッツに囲まれて自殺したらしい。7人からの証言を独白するスタイルで徐々にその真相を明らかにしていく。聞き手は美容整形クリニックを経営している気鋭の美人女医。 それぞれの証言が口語体で綴られていてあま…

日没 桐野夏生

日没一年半前にヘイトスピーチ法が成立した社会が舞台。ヘイトスピーチだけでなく、あらゆる表現中の性差別、人種差別なども政府機関は規制し始めていた。そんなさなか、小説家や作家が相次いで入院・自殺しているという噂。小説家マッツ夢井に政府機関から…

罪の轍 奥田英朗

罪の轍 奥田英朗 昭和38年、オリンピックを翌年に控えあちこちで突貫工事中の東京が舞台。礼文島から東京に出てきた空き巣常習犯の青年「宇野寛治」。幼少の頃、義父に突き飛ばされるクルマへの当たり屋をさせられていた経験が心身及び脳に障害として残って…

ギフトエコノミー

ギフトエコノミー The buy nothing, get everything plan. Discover the joy of spending less, sharing more and living generously. Liesel Clark Rebecca Rockefeller プラスチックを代表として世界中で大量に使い捨てされている資源。美しい海岸がゴミで…

猛スピードで母は 長嶋有

www.amazon.co.jp 二篇の短編集からなる文庫本。いずれも小学生を主人公にその目線で周囲の家族を描く。登場人物はどこにでもいそうな人を極端にデフォルメしてかつ、主人公は小学生にしては妙に冷静で感情が表に出てこない。簡易な文章でサラッと読了させる…

私の頭が正常であったなら  山白朝子

私の頭が正常であったなら山白朝子8篇からなるSF?ホラー?ちょっと怖くて不思議なエピソードの短編集。宮部みゆきさんの解説が目に止まって手にしてみた。平易な文章、突拍子もないアイデアと物語世界。それぞれ独立した短編なので読みやすくあっという間に…

魂手形 三島屋変調百物語七ノ続 宮部みゆき

魂手形三島屋変調百物語七ノ続三篇の短編集「火焔太鼓」不思議なことに火事災害に遭わない城下町の秘密。「一途の念」屋台団子売り少女が打ち明けた家族の話。「魂手形」老人が語った少年の頃に経験したおばけ話。前作「黒武御神火御殿」に比べると本の厚さ…

流浪の月  凪良ゆう

www.amazon.co.jp 主人公の更紗(さらさ)は小学三年生の時に父親が急逝、母親は重たい荷物は持ちたくないと更紗を残して出奔した。叔母の家庭に引き取られるが、そこの長男中学生に性的虐待を受ける。ろくに睡眠を取ることもできず帰宅をためらう毎日。公園…

楽天ブックス

昨日朝09:30に楽天ブックスで注文した単行本が今朝10:40にはポストに入っていた。あまりにも早いのでびっくり。配送センターが近いのか?在庫がふんだんにあったのか?定価で販売、送料無料。そのうえ3000円以上の購入で1000円引きのクーポン利用した。一体…

きたきた捕物帖

きたきた捕物帖江戸の下町深川を舞台に4篇の短中編から構成されている。深川元町の岡っ引き文庫屋の千吉親分がフグにあたって急逝してしまったため千吉親分が親代わりに育てていた北一(きたいち)少年は路頭に迷うことになった。突然身寄りがなくなってしま…

家族じまい  桜木紫乃

www.amazon.co.jp 北海道を舞台に5人の女性視点で語られる5篇の短編集。 連作短編集で物語はそれぞれ完結しているが、人間関係がつながっている。登場人物の家族の有り様、家族間の人間関係を小説化。いずれも加齢と老いが重要なファクター。 心情描写が独特…

朝が来る 辻村深月

www.amazon.co.jp 妊娠しなかったため生後間もない男児を養子にもらい育てている主婦「佐都子」。認識したときには堕胎可能な期間を過ぎていたため子供を生むことになった中学生の「ひかり」。子供をめぐり交錯する二人の時間を描いた。 登場人物の誰にも感…

木曜島の夜会  司馬遼太郎

www.amazon.co.jp 4編の短編集*木曜島の夜会木曜島はオーストラリア最北の辺境の地。明治から大戦の頃にかけての時代、木曜島にて白蝶貝を採取するダイバー(潜水夫)として日本人達が多く働いていた。祖国から遠く離れた辺境の地、命を危険にさらしてなぜ…

震える岩 霊験お初捕物控 宮部みゆき

www.amazon.co.jp 震える岩 霊験お初捕物控宮部みゆき 江戸の下町にある一膳飯屋で兄夫婦と働く娘「お初」には常人には見えない超常現象が時折みえるという異能力があった。例えば樽に投げ込まれていた少女の遺体を見つけたり、犯人の人相が見えたりなど。そ…

ぽっぺん先生の日曜日  舟崎克彦

ぽっぺん先生の日曜日舟崎克彦 大学生物学助教授のポッペン先生はある日曜日に部屋の片付けしていたところ、ふとしたきっかけで自分が子供の頃に読んでいた絵本の中の世界に紛れ込んでしまう。その絵本は「なぞなぞ」の本で数ページの薄っぺらい本なのだが、…

ステップファザー・ステップ 屋根から落ちてきたお父さん 宮部みゆき

www.amazon.co.jp ステップファザー・ステップ 屋根から落ちてきたお父さん宮部みゆき 講談社青い鳥文庫は基本的に小中学生の少年少女が対象だが、宮部みゆきさんの著作なので読んでみた。全文漢字にルビ入っているし、ところどころに漫画挿絵が配置されてい…

聖女の救済 東野圭吾

www.amazon.co.jp 高級住宅街の戸建てで起きた男性の密室毒物殺人事件。容疑者として疑われているのは別れを切り出されていた妻だが鉄壁のアリバイがある。草薙刑事はその妻に一目惚れしてしまった。完全犯罪かと思われた事件の謎を解くため草薙の後輩女性刑…

真夏の方程式 東野圭吾

真夏の方程式東野圭吾 美しい海が宝の「玻璃ヶ浦」が舞台。かつて観光客で賑わったが、今は寂れて訪れる客が減少している観光地の「玻璃ヶ浦」。きれいな海を守って客を呼びたいと地元が努力しているところに海底資源開発の話がでてきて町を二分する議論が湧…

僕が最後に言い残したかったこと  青木 雄二

www.amazon.co.jp 漫画「ナニワ金融道」が代表作の著者。漫画は未読だが、なんとなく手にとってみた。漫画が売れて経済的に成功した著者。肺ガンを患い余命三ヶ月と宣告されてからしたためた一冊。 2003年の本だが「日本の政治家が自分の利権確保・追求のみ…

沈黙のパレード 東野圭吾

www.amazon.co.jp20年前におきた少女殺人事件容疑者は黙秘を貫きとおした結果裁判で無罪を勝ち取っていた。その被疑者が再び若い女性殺人の容疑者として取り調べられた。証拠不十分ということで起訴にならなかった容疑者。事件の舞台となった町に舞い戻った…

ノーサイド・ゲーム 池井戸潤

www.amazon.co.jp 社会人ラグビーチームが舞台の小説。社内抗争に破れトキワ自動車本社から横浜工場へ左遷された主人公の君島隼人。ラグビーに関して全く関知しないド素人だったが、横浜工場に所属している社会人ラグビーチーム「アストロズ」のジェネラルマ…

さよならの儀式

さよならの儀式 宮部みゆき SF短編集。宮部みゆきさんのこのジャンルは読んだ覚えがない。とても良くかけているし、その物語にぐいぐい引き込まれてあっという間に完読した。SF小説は作家の突拍子もないアイデアが勝負されるジャンル。面白く読んで消費する…