自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

希望の糸 東野圭吾

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希望の糸 東野圭吾

金沢の料亭旅館「たつ芳」の元料理長が死に際の遺言状に「松宮修平」を息子と認知すると記していた。その内容に全く思いもよらない女将の長女芳原亜矢子は松宮修平に連絡を取った。
一方目黒区自由が丘で発生した喫茶店経営者が殺される殺人事件が発生。捜査にあたる刑事松宮修平。被害者は誰にでも好感を抱かれていた好人物で犯人像がなかなか浮かばない。
並行して進む2つの物語がある共通項で結ばれ収斂していく。
あっけなく見つかる犯人だが、その動機には全く納得できなかった。
謎解きがいずれも独白形式の説明口調で読みにくかった。
物語のキーとなる「血の繋がりが希望の糸」という主張に自分はそれほどの重要性を感じられない。遺伝子は人間性を形成する大きな役割があるとは思うがこの小説で説明するほどのものではないと思う。
東野圭吾さんには期待のハードルをあげているのでやや物足りない。佳作。図書館22ヶ月待ち。