ステップファザー・ステップ 屋根から落ちてきたお父さん
宮部みゆき
講談社青い鳥文庫は基本的に小中学生の少年少女が対象だが、宮部みゆきさんの著作なので読んでみた。
全文漢字にルビ入っているし、ところどころに漫画挿絵が配置されている。
一卵性双生児の中学生男子二人兄弟：哲（さとし）と直（ただし）は父・母が同時に夫々の不倫相手と駆け落ち失踪したため残されて子供二人で生活していた。
その二人と空き巣を狙っていたところ雷に打たれて屋根から落ちた男が主人公。
二人は生活費に困っていてドジな空き巣に経済的な援助を要請、弱みを握られた男が不承不承面倒を見つつも心を通わせるようになる６編の短編集。
いずれも不可思議な事件が起こり、謎解きが唐突なきらいはあるが、大人の読書にも耐えられるミステリーに仕上がっているのはさすが宮部みゆきさん。
ありえないシチュエーションだとかエピソードという感想もあろうが、意外と面白くあっという間に完読した。
