自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

読書

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

www.amazon.co.jpタイトルがこの本のすべてを表している。ホスピス医の筆者が2800人を看取った経験を元に執筆。「【苦しみ】とは希望・理想と現実のギャップから生まれる。」という主張が印象に残った。誰しも必ず死ぬ日を迎えるけど、それを実感しないで生…

人質カノン  宮部みゆき

www.amazon.co.jp 1996年発刊。ミステリアスで不可思議な出来事がテーマ。人間の心模様の機微をとてもよく描いている短編集。心のどこかに不安を抱えた登場人物たち。いつのまにか作中の人物に感情移入し、はらはらしながら、事態が好転することを期待しつつ…

スモールハウス  高村友也

スモールハウス 高村友也建坪3坪と非常に小さい家を建てて住むという生き方がアメリカなどでムーブメントになっている、と6件の実例を紹介しながらその考え方、経済性、環境負荷が圧倒的に少ないと詳細に説明している。また小さい家に住むということは過剰…

ファシズムの教室 田野大輔

ファシズムの教室田野大輔 甲南大学社会学の先生が授業の実習でファシズムを教えた顛末を詳細に一冊の書籍にしている。題名通りナチス式敬礼、行進、異質人物の糾弾・排除を生徒たちに体験学習させてみる。シミュレーションとはいえ、それに参加することで生…

長い長い殺人  宮部みゆき

www.amazon.co.jp 長い長い殺人宮部みゆき1992年初発刊11編の短編集からなるオムニバス。 それぞれの配偶者を保険金目的で殺人した容疑者とされる男女をめぐるミステリー小説。捜査の過程で容疑者たちがTVに取材されて有名人になり、引っ張りだこになるあた…

「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる 鴻上 尚史

www.amazon.co.jp 「世間」自分が属している人間関係。近代化で壊れかかったが根強く残る。農村社会の伝統が続いている。お互いに助け合い強くつながっている。「空気」:「世間」が壊れて、よりカジュアル化しどこでも表れるようになったもの。大本が「世間…

ある男 平野啓一郎

www.amazon.co.jp 林業事故で急死した男は戸籍と過去の経歴を妻や家族に偽っていた。その男の過去を追う弁護士の物語。大作。盛りだくさんな内容。戸籍交換・詐称、変身願望、在日三世の心情、関東大震災朝鮮人虐殺、現代の過激ヘイト活動、死刑肯定論・廃止…

とり残されて 宮部みゆき

www.amazon.co.jp 短編小説集1992年刊行の現代小説だが、それほど時代背景は重要ではない。7編の短編に共通するのは不可思議な超常現象。全体として良く書けているエンターテイメント小説。 とり残されて:婚約者を交通事故で亡くした女性がその思いを「とり…

かがみの孤城 辻村深月

www.amazon.co.jp かがみの孤城同級生から壮絶ないじめに遭い不登校になった「こころ」女子中学1年生。ある日自室の鏡が突然輝きだし、その中に吸い込まれてしまった。その先は異次元空間の孤城だった。同様に学校に通っていないと思わしき中学生全部で7人…

スナーク狩り 宮部みゆき

www.amazon.co.jp 登場人物多い。しかも、それぞれが突拍子もない言動をとるので「あり得ないなぁ」となかなか物語に入り込めない。とにかく人が多すぎてどうなるのか心配したが、ラストのクライマックスによく収斂させた。そこに至るまで物語が散らかり過ぎ…

浦安市図書館のサービス一部再開(第二弾)

*6月1日より書架への対地入り再開 *マーレ、駅前SCの貸出再開

スノードロップ 島田雅彦

www.amazon.co.jp スノードロップモチーフは皇室皇后陛下。主人公を「不二子さま」という設定、親王様は「舞子さま」、皇太后を「真知子さま」とネーミング。不二子さま目線から自民党・安倍政権を徹底的に糾弾。この7年間で行ってきた悪事を暴き出す。天皇…

浦安市立図書館の一部再開

library.city.urayasu.chiba.jp HP以外の情報発信はないけど、ひっそりと一部業務再開。 駅前図書貸出コーナー以外の分館と中央図書館が予約貸出サービスのみ再開。 ようやく自粛の出口が見えてきた。 外出自粛・自宅籠もりに本は必須。

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続 宮部みゆき

www.amazon.co.jp 短編3話と最終章が表題の一作。第一話「泣きぼくろ」旧友の豆腐屋一家離散を招いた恐ろしいエピソード。第二話「姑の墓」桜が見事な絶景の丘、女たちのみ絶対に花見を禁止していた一家の結末。第三話「同行二人」飛脚に取り付いたのっぺら…

龍は眠る 宮部みゆき

www.amazon.co.jp「他人の思考を読む?感じることができる」と主張する少年二人と関わった雑誌記者「高坂省吾」。そんなさなかに高坂に白紙・無言の脅迫状が送られてきた。その脅迫者はなぜすでに何年も関係が無かった元婚約者の小枝子を巻き込んでいた。 少…

東京下町殺人暮色 宮部みゆき

www.amazon.co.jp 「東京下町殺人暮色」後年「刑事の子」に改題されている。2013年に「刑事の子」読んでいたので7年振りに再読。だいたいのあらすじはなんとなく思い出したが結局ディテールは全く記憶していなかった。読みやすい文章でサクサク読める。ほん…

ニッチを探して 島田雅彦

フラワー銀行員の藤原道長、上司の不正を咎めて不正融資を独断で阻止し逃亡生活を送ることに。 銀行・警察の追跡をかわして潜伏生活を送る、その方法は路上生活。 隅田川沿い、上野公園など路上生活者の生態を測量しお金がなくても生きていけるかの生活力に…

鳩笛草―燔祭/朽ちてゆくまで 宮部みゆき

鳩笛草―燔祭/朽ちてゆくまで 宮部みゆき いずれも超能力を持つヒロインがそれぞれ主人公の3編、中編集。 朽ちてゆくまで:予知夢で将来を予言してた幼少時代。その頃の記憶は失ったが両親の遺品のビデオテープに記録を見つけた主人公。 燔祭:念じるだけで自…

カタストロフ・マニア 島田雅彦

カタストロフ・マニア 島田雅彦 ある日太陽の異常コロナ質量放出であらゆる電気設備が壊滅的被害を受けたところに、未知の殺人伝染病ウイルスが蔓延し多くの人が死に絶えた2036年の東京が舞台。主人公「シマダ ミロク」は異変が起きた、その時は新薬治験のバ…

自作の小屋で暮らそう 高村友也

自作の小屋で暮らそう 高村友也 これはすごい本。DIYサバイバルというよりもどのように生きるか?という命題を問う入門哲学書。 すなわち A.必要以上に立派・豪華な住宅を買うために30年以上毎日会社へ勤めてローンを払うのか?もしくは B. 必要最低限の家…

魔術はささやく 宮部みゆき

魔術はささやく 宮部みゆき 若い女性の自殺が3件続いた。一人は結婚を控えているところだし、他も理由が見当たらない。そのうちの一人は赤信号で飛び出し、タクシーにはねられ死亡した。そのタクシー運転手の甥である高校生が主人公。探偵さながら自殺した女…

復讐 タナダユキ

www.shinchosha.co.jp 殺人犯罪加害者の家族と、殺人犯罪被害者の遺族が邂逅。いずれも常人には思い図るのが難しい極限の体験と心理状況に追い詰められてきた。 表情や仕草、心情を表現する文章が秀逸。重いテーマでありながらグイグイと読ませる力がある。 …

未来 湊かなえ

未来 湊かなえ さすがは「イヤミスの女王」湊かなえさんが本領を発揮。 母親が病弱で、唯一頼りにしていた父を病気で亡くした小学生「章子」のもとに20年後の自分から手紙が届いた。「今は苦しい時期だけど頑張れ」と。小5から中2の章子が日々の生活を綴り…

レベル7(セブン) 宮部みゆき

レベル7(セブン) 宮部みゆき 平成2年刊行文庫版で657頁の大作宮部みゆきさん長編第4作宮部みゆき作品は多数読んでいたが、「レベル7」は初めて手にした。 いきなり冒頭が「夢のようなシーン」が伏線として描写。その次のシーンは記憶喪失者が眠りから冷…

我らが隣人の犯罪 宮部みゆき

我らが隣人の犯罪 宮部みゆき 「我らが隣人の犯罪」隣家のスピッツが尋常でない吠え方に困り果て、叔父と共に解決策に尽力する中1男子。「この子誰の子」留守番の14歳少年のところに嵐の日に突然乗り込んできた赤ん坊を抱えた若い母親。その目的は。「サボ…

空き家再生ツアー 岸本葉子

https://www.amazon.co.jp/空き家再生ツアー-岸本-葉子/dp/4062164663/ref=pd_ybh_a_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=DRN6BJX9D34FYW8AR1V4 初めて岸本さんの著作を手にした。著者初の小説らしい。 いずれも50歳前後独身女性が主人公の短編集。仕事、親の介護…

昨日がなければ明日もない  宮部 みゆき

昨日がなければ明日もない 宮部 みゆき 私立探偵杉村三郎シリーズ第5作とはいえ前作を読んでいなくても十分楽しめる。3篇のエピソードがまとめられた短編集 「絶対零度」結婚して二年ほどの娘が自殺未遂を起こして入院している。ところが、一切面会させてく…

底辺への競争 山田昌弘

底辺への競争 山田昌弘格差放置社会ニッポンの末路 就職氷河期に正規雇用されなかった世代が40歳代になりつつある。かなりの割合がパラサイトシングルのような非正規雇用か失業者。それらの人たちを親が支えられなくなり、貧困化する日が近い。との主張 格差…

エヌ氏の遊園地  星新一

エヌ氏の遊園地 星新一 ショートショート短編集「盗賊会社」から二ヶ月空けずに読んだ。続けて読むとやや食傷気味。悪くはないんだけど、もう少し時間経過してから読む方が良いのかもしれない。若い頃には星新一さん次から次へと夢中になって読んだものだけ…

フーガはユーガ 伊坂幸太郎

www.amazon.co.jp SF小説一卵性双生児の兄弟 優我(ユーガ)と風我(フーガ)二人は父親に激しい暴力虐待を受け怯えながら育った。そのため青年になってからも心のキズとして残った二人。いつのころからか誕生日にはお互いの位置が瞬間移動して入れ替わると…