自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

鳩笛草―燔祭/朽ちてゆくまで 宮部みゆき

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鳩笛草―燔祭/朽ちてゆくまで 宮部みゆき

いずれも超能力を持つヒロインがそれぞれ主人公の3編、中編集。

朽ちてゆくまで:予知夢で将来を予言してた幼少時代。その頃の記憶は失ったが両親の遺品のビデオテープに記録を見つけた主人公。

燔祭:念じるだけで自在にあらゆる物を燃やし尽くすことができる女性と殺人犯罪被害者の遺族の邂逅。

鳩笛草:触ることで人の心情を感じ読み取ることができる能力を活かせると警察官になった主人公。その能力の急激な衰えに戸惑う。

 

いずれも超常現象力を持ちながらも悩み・葛藤している姿を描くことで、人並み外れた才能を持つ人達を比喩。いずれも悪い奴らをバンバン倒しまくるというようなヒーローではない。

超能力というメタファーを使うことで広い意義での「才能ある人」の苦悩を描いた。あとがきに「一般的な才能ある人をそのまま描くとシビアになりすぎて辛いから」との著者談。

 

今だったら「セクハラだ!」などと糾弾されそうなエピソードもあり発行当時の世相が現れている。(1995年発刊)