自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

とり残されて 宮部みゆき

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短編小説集
1992年刊行の現代小説だが、それほど時代背景は重要ではない。
7編の短編に共通するのは不可思議な超常現象。
全体として良く書けているエンターテイメント小説。

とり残されて:婚約者を交通事故で亡くした女性がその思いを「とり残されて」生活しているさなか不可思議な殺人事件に遭遇する。
おたすけぶち:「おたすけ淵」での交通事故で兄を亡くした妹が10年後に目にする恐るべき真相。
私の死んだ後に:過去の事故がトラウマで利き腕の右腕が全く動かなくなってしまったプロ野球投手。飲み屋での諍いで刺され死線をさまよいつつ見たのは。
居合わせた男:特急でおしゃべりな女子二人と居合わせた男。女性達が働く会社での自殺に関わる幽霊騒ぎに遭遇。
囁く:喫茶店で隣の客のおしゃべり「お金が囁く」という話を聞いた男のとった行動。
いつも二人で:年頃の美しい女性幽霊に乗り移られた男子大学生がその幽霊に強制させられたことは・・・
たった一人:あまりにもリアルで不思議・居心地の悪い夢を見る女性:梨恵子は意を決して私立探偵に相談する。

ややくどすぎる表現がいくつか目につくが短編なので読みやすい。
サクッと完読。