長い長い殺人
宮部みゆき
1992年初発刊
11編の短編集からなるオムニバス。
それぞれの配偶者を保険金目的で殺人した容疑者とされる男女をめぐるミステリー小説。
捜査の過程で容疑者たちがTVに取材されて有名人になり、引っ張りだこになるあたりは1981年のロス疑惑を連想させる。
非常に珍しいことにそれぞれの短編は登場人物の「財布」が語る形式。他に見たことは無い。
未見だが、ドラマ化もされているらしい。どんな映像になったのか興味深い。
財布のひとり語りという形式と、多い登場人物、想像力を掻き立てる文書の構成にやや読みにくさを感じたが、ミステリー小説としては秀逸。よくぞエンディングまで収斂させたと感嘆した。
大元の初出稿は雑誌連載だったらしい。
ミステリー小説好きな人にはオススメ。