自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

人質カノン  宮部みゆき

www.amazon.co.jp

1996年発刊。
ミステリアスで不可思議な出来事がテーマ。人間の心模様の機微をとてもよく描いている短編集。
心のどこかに不安を抱えた登場人物たち。いつのまにか作中の人物に感情移入し、はらはらしながら、事態が好転することを期待しつつ見守りながら読みすすめた。
いずれもフィクションのミステリーなのに、実際に存在してもおかしいとは思えないようなエピソード。
珠玉の7篇の短編。
自分としては珍しくもう一度じっくり読み直したいと思った作品。
「人質カノン」コンビニ強盗に出くわしたOLと男子中学生の邂逅。
「十年計画」女性タクシードライバーが語った話は・・・
「過去のない手帳」電車で拾った手帳の持ち主を探した5月病で休学してしる大学生。
「八月の雪」酷いイジメで片足を失った男子中学生、亡くなった祖父の古い遺書から見つけたのは。
「過ぎたこと」探偵事務所にイジメからの護衛を依頼してきた中学生のその後は。
「生者の特権」死に場所を探していたOLとイジメられていた小学生、深夜の学校での冒険。
「漏れる心」マンションを売りに出し、金銭で苦労している主婦が見た上階の不可思議な家族。