自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

ファシズムの教室 田野大輔

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ファシズムの教室
田野大輔

甲南大学社会学の先生が授業の実習でファシズムを教えた顛末を詳細に一冊の書籍にしている。
題名通りナチス式敬礼、行進、異質人物の糾弾・排除を生徒たちに体験学習させてみる。
シミュレーションとはいえ、それに参加することで生じる心理的な変化を体験させファシズムの仕組みを気づかせる。
曰く独裁者が力を発揮するためには本人の力だけではなく、支持者による団結・規律(共同体)の力が必要。
シミュレーションの集団行動にのめり込む理由として1.集団の力の実感、2.責任感の麻痺、3.規範の変化、が必要で有ることを実習で学ばせる。つまり参加者(一般市民)の自発的な協調行動が不可欠。
このように説明できる心理状況が現代日本のイジメ、嫌韓・反中のヘイトスピーチ加害者にも共通すると。

決してナチスファシズムを礼賛しているわけではない。非常に読みやすく平易な文章でファシズム、それに協調する集団心理。協調した行動を促すための方法などを詳細にわたって解説。
自粛警察などが現れている日本人には知っておいたほうが良い内容。
この本を読んでいただいた方と感想を分かち合いたい。