自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる 鴻上 尚史

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「世間」自分が属している人間関係。近代化で壊れかかったが根強く残る。農村社会の伝統が続いている。お互いに助け合い強くつながっている。
「空気」:「世間」が壊れて、よりカジュアル化しどこでも表れるようになったもの。大本が「世間」なので強大。
「社会」道や駅ですれ違う一般の人々。「世間」の外の人たちなので、この先に関係は無い。
「世間のルール」1.年上がえらい。 2.「同じ時間を生きる」ことが大切 3.「贈り物が大切」 4.仲間外れを作る 5.ミステリアス

と説明している。平易な表現、難しい単語は無し、大きな文字なので2時間位で完読。
同調圧力」がとても強い日本社会を「世間」「社会」「空気」という言葉でうまく説明。
海外にも同調圧力はあるが、「自尊感情」「自尊意識」を育てるよう努力している。
最終章の「スマホの時代に」では「世間」が見える化され、人々は「何者にもなれない」自分を突きつけられるとしている。そういう時には絶対に否定されない「正義の言葉」を発信する人が増えてくる。と・コロナ禍の自粛警察のような行動をとる人たちが増えていると説明している。コロナ騒動の前に出版されているので驚き。
手にとってから知ったが、(岩波ジュニア新書)から出ているとおり基本的には少年少女向けの本。
会社を中途で退職して自由に生きている私にとっては、「まあそれはそうだろうな」と共感はするけどいわゆる「世間」に属さない立場にはそれほど強くは響かない。
とはいえ、若くして自殺する有名人が続いているような現代。人間関係に悩んでいて行き詰まっているような人。早まった決断をする前には読んでいただきたい一冊。

印象に残った文章。
*英語には「しょうがない」という意味の言葉はない。近いのは「it cannot be helped」ですが、とても負け犬の匂いがする。ぎりぎり「we have no choice」もあるが、「やれることはぎりぎりやった。でも他に方法がない」というポジティブな意味で「しょうがない」のあきらめとは違う。私達日本人はとても「しょうがない」を連発する民族。