放置されたあげく餓死するように殺される連続殺人事件が仙台で起きた。殺された二人はいずれも人格者で人に恨まれるような評判は全くない。ほとんど物証がない現場、手がかかりは見つからなかった。宮城県捜査一課所属の笘篠誠一郎はそんな二人の過去の経歴を調べて接点を探り、8年前に二人が働いていて社保事務所で暴力事件を起こした利根勝久にたどり着いた。利根勝久はその事件が原因で服役し、模範囚のため出所したばかりだった。
381pにわたる大作もスピーディーな物語展開と読みやすい文章でぐいぐいと読み進められる。
生活保護制度をめぐり受給している人、担当する社保事務所の役人たちのどうにも解決しにくい問題点をあぶり出している。
ミスリードを重ねた表現ながらも最後のねたあかしにも納得できた。
大変良くかけている推理サスペンス小説。