自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

桜ほうさら 宮部みゆき

桜ほうさら 宮部みゆき
房総の極小貧乏藩出身の武士「古橋笙之介」(ふるはししょうのすけ)。
父、古橋宗左衛門が賄賂を受け取っていたとの濡れ衣を着せられて切腹させられた。その騒動の謹慎中、江戸藩邸留守居役藩重臣坂崎重秀に江戸に呼ばれた。貧乏長屋に住み代書屋稼業で糊口をしのぎつつ故郷藩のお家騒動の企みを探る。

2013年に既読だったが、近作「きたきた捕物帖」と同じ舞台。数年さかのぼった時代を描いているということで再読してみた。605ページの大作かつ傑作。
武道は苦手だが達筆にして優しい気性の主人公。貧乏暮らしに苦労しつつも周りの人情深い町人たちと助け合いながら生活する様が心に染み入る。登場人物の心情描写が微細に渡り丁寧に表現されていて極めて読み応えがある。
ぜひ多くの人に読んでいただき、感想を分かち合いたい。
個人的に愛読している宮部みゆきさんの中でもオススメの一冊。