自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

子宝船 宮部みゆき

子宝船 宮部みゆき

「きたきた捕物帖」第二弾。
千吉親分が急死して、江戸深川に放り出された北一。
まだまだ小僧で生きていく術もない中、千吉親分が生業としていた文庫(紙でできた箱状の入れ物)を生産、販売に活路を見出そうと懸命に生きていた。
そんななか深川で起きる騒動を収めるお役人の使い走りとして岡っ引きの手下のような仕事に当たる。
もとは忍者?かのような活動をしていたと思われる謎多き湯屋のかまど焚き「喜多次」とともに「きたきたコンビ」での活躍。

宮部みゆきさんの読みやすい文章であっという間に読了。悪者を一刀両断するようなヒーローは登場しないが、江戸深川で貧しいながらも懸命に生きる庶民の心情描写が見事。計り知れない人間の心の奥底を顕にする。宮部みゆきさんのライフワーク?として書き続けるらしいので続編も楽しみ。

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