相続地獄 森永卓郎
著者の森永卓郎さんお父さんの死亡時に相続手続きでタイトル通り地獄をみるような体験した事例を書籍化。
曰く、準備が不足していて法律で定める十ヶ月という期間ではほぼ不可能な手続きに忙殺された。
*お父さんとうまくコミュニケーションを取れていなくて、銀行口座を探す事に大苦労。
*介護費用に数千万円かかったもののちゃんと記録していなかったため全て自分の持ち出しになった。
*遺産相続がも揉めて「争続」になるケースも多い。
などなどと
経済学者の森永氏でさえそうなのだから、そのような知識経験のない一般市民には雲を掴むような相続手続き。
一生の間に誰もがいつかは経験する、だけど回数としては両親それぞれで各一回、計2回のみ。しかもいつその機会が発生するかは人それぞれ。
また2015年の法律改正で大増税され相続時の基礎控除(相続税がかかるかどうかを分けるボーダーライン)の額が4割引き下げられた。(大大増税)以前の制度なら「うちは財産少ないから相続税は関係ないな」と思っていた人も現行税制では多くの人が対象になっている。
相続地獄は決して他人事ではなく、多くの人が経験する今の社会制度。ぜひとも多くの人に読んでいただきたい一冊。
さらさらと読みやすい文章で森永氏を追体験できるので、興味深く読みやすかった。