事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング 原田ひ香
自殺や孤独死、殺人事件などがあった、いわくつきの不動産物件。次に案内する賃借人には説明責任が生じるが、間に人が住めばその必要がなくなるという現状。住居の履歴を「ロンダリング」するため一時的に住む「影」という仕事を相場不動産が斡旋している。
そこに姿を消した人を探す会社「失踪ドットコム」の仙道もからんで、都会のルームロンダリングにまつわる様々な人間模様を描く8篇の連作短編集。
不動産物件ロンダリングをめぐる短編集が最終章で一気に修練するさまは見事。
登場人物の描写も深くてうまい。
あまりにも現実感が薄いテーマに感じるけど、高齢化、多死社会では必然だし今後増えるだろう。
登場人物が多いので把握するのにやや苦労したけど面白かった。