自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

白鳥とコウモリ 東野圭吾

白鳥とコウモリ 東野圭吾
誰からも慕われていた善良な弁護士白石健介が隅田川で刺殺された。捜査の末、愛知県の老人倉木達郎が「自分がやった」とあっけなく自供。33年前の殺人事件に関連した相談をした際に強く諌められて衝動的に殺したと。警察・検察、弁護士たちはその供述が事実であると疑いを持つこと無く、それぞれが裁判で有利になるような材料を集めることにしか関心が無い。そんな状況で被害者の娘白石美玲と加害者の息子倉木和真は倉木達郎の自供に疑問をいだき独自に事実を調べ始める。

522pと分厚い大作も、他の東野圭吾作品同様一気読みさせられた。SNSで拡散・攻撃にさらされる被害者家族、加害者家族のプライベートという現代社会の時事的事情もうまく描写している。もとは月刊誌の連載のようでやや冗長な感じも受けるが、非常によく書けているエンターテイメントミステリー小説。
図書館で1年4ヶ月待ち。