自由人の独り言

思いつくまま気まま日記

オオルリ流星群 伊与原新


オオルリ流星群

45歳を超えて自分の人生・生活に疑問を持ち始めている種村久志。親から受け継いだ個人経営の薬局の経営が思わしくないし、打つ手も思いついていなかった。そんなころに高校の同級生で国立天文台に勤めていたスイコこと山際彗子が帰ってきて、個人で天文台を作ると言う。秦野市を舞台に高校の同級生達が28年のブランクを超え力を合わせて天文台作りに奔走する。

高校時代の友人たちと時を越えてこんな交流関係を築けている人はどれくらいいるのだろう?
物語中のエピソードも「話が都合よく展開過ぎ」という印象も受けるが、全体としては中年の友情物語として良い小説にできあがった。
天文関係のくだりはさすがは専門家で素人にもわかりやすく説明できている。ぐいぐい物語に引き込まれてあっという間に読了。面白かった。

伊与原新さんの著作は始めて読んだ。本物の天文学者らしい、それなのに文章は読みやすく良く書けていた。また別の著作も読んでみたい。